人間の体毛は、それぞれ一定の周期を繰り返しながら生えたり、抜け落ちたりしています。
この周期がヘアサイクル(毛周期)です。
ヘアサイクルは、
- 成長期
- 退行期
- 休止期
の3つに分類されていて、成長期になると伸び始め、退行期に抜け落ち、休止期に次に生えるまでの準備をしているのです。
ワキ毛が髪の毛のように長くならないのは、このヘアサイクルが関係しているのですね。
わき毛のヘアサイクルの特徴
成長期
毛が成長する期間です。
毛の根元には毛乳頭と呼ばれる部分があって、その周囲を無数の毛母細胞が取り巻いています。
毛細血管を通じて毛乳頭に栄養が運ばれると、毛母細胞のはたらきが活性化します。
そして細胞が分裂・増殖を繰り返すことによって毛が作られる仕組みです。
わき毛の成長期は約2~5ヶ月間ほどで、一日におよそ0.3mm~0.4mmのスピードで伸びていきます。
1ヶ月間でおよそ1cm伸びますので、3~5cmほどの長さまで成長することになりますね。
退行期
成長期が終わったあとは、毛母細胞の分裂が止まり毛の成長がストップします。
やがて毛が抜ける準備が始まって、毛乳頭と毛の結びつきが弱まります。
この古い毛が抜けるまでの準備期間が退行期と呼ばれます。
退行期は3つの周期の中で最も短く、2~3週間ほどですぐに休止期に移り、わき毛が抜け始めます。
休止期
毛と毛乳頭が完全に離れて抜け落ちる期間です。
ワキ毛は自然に抜け落ちますので、痛みや違和感はありません。
わき毛の休止期は4~5ヶ月も続きます。
抜けたあとは毛が生えてない状態が続くのですが、この時期に新しいワキ毛を生やすための準備をしているのですね。
そしてこの時期が終わると、成長期に移行して再びワキ毛が伸び始めることになります。
ヘアサイクルは1本ごとに違う
すべての毛のヘアサイクルが同じだったら、休止期に入ったすべての毛が一気に無くなることになりますので大変ですよね。
そうならないために、わき毛をはじめ、体毛のヘアサイクルは1本1本ごとに違いがあり、表面に出ている毛は全体量のおよそ3分の1程度です。
ワキ毛も髪の毛も1本1本ヘアサイクルが違うのですが、ワキ毛は髪の毛に比べると本数が少ないですよね。
これは、髪の毛のヘアサイクルが5~6年も続くので、表面に出ている本数が多いためです。(髪は伸び続けるのですが、カットして長さを整えているのでいつ成長期に入ったのか分からなくなっています。)
脱毛の効果は、成長期の毛のみ
レーザー脱毛でもフラッシュ脱毛でも、効果があるのは成長期の毛だけです。
わき毛の成長期は、毛乳頭と毛の結びつきが強いので照射エネルギーが毛根までダイレクトに届いて脱毛できるのです。
成長期のワキ毛は全体の3割ほどなので、1回の照射では3割の毛にしか効果がないことになりますね。
ワキ毛のヘアサイクルは半年~1年で1周します。
そのため、この間に何度か照射を繰り返すことで、半年~1年後にようやくすべての毛に脱毛の効果が現れることになります。